2017年1月14日土曜日

自分仕様の仕事道具は気持ちいい!

まだお正月ですか?
お正月が終わっていたとしても、、、近いので、、、
松竹梅の竹。

富田屋ではコーヒー豆の焙煎の前にコーヒー生豆のハンドピック、
焙煎後にコーヒー豆のハンドピックをしています。

ハンドピックとはコーヒー豆の不良豆、欠点豆の除去の事です。

黒豆:醗酵が進み、腐敗して黒ずんだ豆。異味、異臭の元。
カビ豆:カビの生えてしまった豆。(単体ではあまり見かけず、虫食い豆とのセットでよく見かけます)
虫食い豆:蛾の幼虫が食べた豆。豆の細い穴が開き、内側にカビが生えていることがある。

発育不良豆:表面にしわの入った緑色の未熟な豆。
死に豆:正常に結実しなかった豆。焙煎しても色がつきにくく、白っぽく焼きあがり、見分けやすい。
貝殻豆:貝殻みたいな形をした奇形の豆。薄いので焦げやすく、煎りムラの原因に。
コッコ:乾燥したコーヒーの実のついたままの状態。自然乾燥で、果肉が残ってしまったり、脱穀不足が原因。
この他にも石や枝葉、とうもろこしのタネ、小豆のような豆、ガラスなどたまに面白いものが入っています。
 
前置きが長くなりましたがこのハンドピック、料理で使うバット(写真奥の金属製)を使ってやっていました。
でも、嫌なことが2つあったのです。
1.冬、手が冷たくてバットを触るのが嫌になる。
2.コーヒー豆をバットに入れた時のカチカチジャラジャラという音がうるさい。 
 
冬は本当に冷たいのです。
触るたびにヒヤッとして、一瞬、嫌な気持ちになります。
 
そして、ジャラジャラというコーヒー豆が金属に当たる音。
職業病か、この音の高さを聞くと耳がかなり痛くなります。
お茶碗の当たる音、子どもの高い声、ピアノの高い音、締め太鼓の音。

でも、紙や木、竹のトレーに入れると耳は全く痛くなりません。
木で試したときもありましたが、すごく重くてだめでした。
紙だと強度が心もとないですし・・・。
やはり、昔、人気絶頂だった竹になりました。

偶然、とあるイベントで見つけた竹職人の中川さんに
「こういうのを作って欲しいんですが・・・」、
というと、興味を持っていただき、
「じゃあ作りましょう。 
もし、気に入らなければ作り直しますし」
といっていただきました。

すごく嬉しいです。
自分の思う大きさ、高さを何センチと伝えて、
使い道を伝えて、それを作っていただく!
なんとも贅沢と言うか、ずっと使いたいなぁと思います。
昔はそういう風に職人さんに依頼して作ってもらったり、
自分で道具を工夫して作っていたのかな?と想像しました。
今となっては珍しい竹細工の継承にも繋がります。

いざ、使ってみると
手にも耳にも優しいです。
冬は冷たくないし、音も全然うるさくないのです。
時折、竹職人さんのことも思い出したりします。

でも、竹のトレーで駄目な点がいくつかありました。
 
1.竹と竹の隙間からコーヒー生豆の粉(ホコリなど) が落ちて咳が出る。
2.ハンドピックが終わって別の竹かごに移すとき。
竹トレーの内側が出っ張っているので、コーヒー生豆が当たると
そこで弾いてたまにこぼれる豆がある。
 
でも、そんな不便は気になりません。
少しの工夫・手間で何とかなります。

1は自分で和紙を竹トレーに貼って解消されました。
 
2は丁寧に移し変えることで多少解消されました。
まだ弾いて落ちる事はありますが・・・。
次に竹トレーを作ってもらう時はそこを改良して作ってもらおうと思いました。

そして、なんと使っている和紙。
これもすごいのです。
薬師寺で和紙のお面を奉納されている明松政二さん作の和紙です。
この和紙で改良した竹トレーを使うたび、明松さんの笑顔が目に浮かびます。

富田屋のコーヒーが少しでも美味しくなっているとしたら
こういう温かな気落ちになることも多少影響していると思います^^
 
他にも作りたい道具は木製の漏斗、程よい大きさのコーヒー豆をすくうスコップ(出来れば木製)、漏斗を置く台(木製か竹製)などです。
 
珈琲の富田屋
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